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単記事選択: #64

#64 スロン。 / funai [960825(Sun) 02:19]
<<忍者、コーヒーじゃ...むう、インスタントか。
 
えーと、あらかじめ断わっておくが、今日はわからん人には全然わからん話を書く。
先にいつもの日記をざっと流しておくので、...あ〜、おみそから電話だ。
あ〜ややこしい。明日飲みに行くのだ。そーいや電車工場も見に行くのだ。
...そーゆーわけでサワチに電話などしました、今。さて。
 
昼前起床でへこへこプログラミング、んで夕方から明石行きの切符買ってJR乗って
ヒマつぶしに一駅手前の朝霧で降りる。
付近に住んでいる某少年マンガ家のアシストに来て以来だから、もう2年振りくらいか。
でろでろ歩いてコーヒー屋を探して、ケーキ屋の隅の喫茶コーナーでコーヒー
のようなものを飲んだ。ううう。おっそろしく少女趣味な店&店員。お辞儀するときに
いちいちなんというのか腰をかがめるような仕草をして、もしはいてたら
スカートの裾をつまんで広げかねまじき様子なんで思わず笑ってしまった。わははは。
さらにでろでろ歩いて明石、「たぬき」で親子丼とザルソバ、FORUSのジュンク堂で
山手樹一郎の「はだか大名」を買って「ぴっける」でコーヒー飲みつつ読んだ。
 
本日聴いたCD:
  • Woody Guthrie "The Very Best Of"
  • Jamiroquai "The Return Of The Space Cowboy"
  • Beck "Odelay"
  • 町田町蔵 "腹ふり"
  • Quartetto Italiano "Debussy:Chamber Music" ...さてと。 で、なんの話をするのかというと「川崎ゆきお」の話で、マンガ家の人である。 川崎ゆきおを知らん人は、とりあえずホームページなど見てきて頂きたい。 http://www.yo.rim.or.jp/~yukio/ ここ、RINAさんのページ http://web.kyoto-inet.or.jp/people/rina-t/ からのリンクを見たときはてっきり同姓同名かと思ったが、なんとご本人であった。 RINAさんちの「都市伝説」には投稿までしている。う〜〜ん、気安い。 川崎ゆきおの描くマンガというのは、 「サラリーマンを目指すが、あえなく落伍して下町の路地裏をちょっとふらふら」とか 「二十面相のような猟奇犯罪を目指すが、結果はいい大人同士のブザマなおいかけっこ」 とかゆーよーな話が「ヘタウマ」を超えた「ヘタヘタ」の絵でただもう延々ぐりぐりと 展開されるという、俺とかマレニの為にあるようなマンガである。 最初に読んだのは「コミックジャングル」連載の「もののけ王」辺りだったと思うが、 はっきり自信はない。とにかく、一発でハマってしまった。 喫茶店に入っては、フレッシュ(作中では「生チチ」と呼ばれていた)を入れるときに 「スロン」 という良くわからんようで実は適切な擬音を口でゆっておった日々。 大学時代にあちこちの古本屋をあさった結果、いま本棚には 「レトロ帝国の逆襲」「猟奇王国」「猟奇王」「悪い奴ほどよく走る」「二十面相の風景」 「活劇少女探偵」「天地無用」「猟奇王大全」などの単行本が鎮座ましましている。 単行本の他にも、阪神電車のマナーポスターとかアクション増刊(廃刊された)の エッセイとか「ガロ」の連載とか「ジャパンダ」の「猟奇王阪神大震災篇」とかいろいろ チェックしているのだが、オタク自慢になるのでよそう。 下宿していた石橋から川崎マンガの主な舞台である伊丹まで阪急バス一本で行けるので、 よくうろうろしに行った。個人的に気に入っていた「宮前商店街」がエッセイ集 「大阪もののけ紀行」で取り上げられた時は、我が意を得たという感じでうれしかった。 俺が白日夢にふけりながら歩いている、全く同じその街を「猟奇王」も歩いている! 何事によらず先達の存在には勇気づけられるものであるが、こういう非社会的な (もう「路上観察」ですらないのだ)何となし後ろめたい「徘徊」においてはなおさら。 「もうだめだ」「もう終わりじゃ」とことあるごとに頭を抱えつつ20年以上も 生き延び続けてきた「猟奇王」を見ては、「ああ、いっぺんアシスタントに行きたい」 「下忍になってうどんの自販機をかっぱらいたい」などと思い、 伊丹市御願塚まで川崎ゆきおのアパートを探しに行ったりとか、阪急の駅デパート (地震で駅ごとツブれたとこ)のソバ屋「月山」でそれらしき人物に遭遇したりとか。 もう、病気。 これまた大好きなのが、「二十面相の風景」「活劇少女探偵」あたりのエロ路線。 この人の「エロ」というのは、ひたすらにおおらかで楽しい。 なんでも入るマンコ、黒くて細くて長〜〜いチンポ。読むとうれしく、おかしい。 あるいはまた、郷愁とエロの重なりあう「少年もの」のなつかしさ... この辺の話はしかし専門のマレニに譲ろう、ふふふふ。 細かいテクニックの部分でいうと、コマ割の異様に間の抜けたテンポが大好き。 普通では考えられないような位置でセリフを切って次のコマに繋げてしまうのだが、 この結果「まったく躍動感のないマンガ」というワン&オンリーの世界が成立している。 あと、正体不明の幾何学模様の背景。一生懸命マネしたりして。 最近はでも文章とか写真とかの方が多くなってきた川崎ゆきお。 一種独特のノドにつっかえるようなモガモガした文体でうだうだと論を展開する。 んで、パソコンはじめたと思ったら、なんとホームページまで開設してしまった。 小説「OSの女」の主人公は、俺としか思えない。金にならないプログラマ。怖い。 神戸ジュンク堂でやってた震災チャリティーマンガ原画展ではじめて サインペンでふにゃふにゃと描かれた原稿を見て、「あー、やっぱり正しい」と思った。 猟奇は必ず勝つのだ、たぶん。と期待しつつ、今日も明日もうだうだ。
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